第15章

「言葉の暴力って知ってるか」

「なら言葉の警察を呼びなさいよ」

「…………」

現実の警察でも対処できない気がした。

「何も知らないってことはないぞ、僕だって。えーっと、たとえばそうだな、日本じゃやっぱ

り、月の模様といえば兎なわけだけれど、なんで月に兎がいるか、知ってるか?」

「月に兎はいないわ。阿良々木くん、高校生にもなってそんなことを信じているの?」

「いるとして、だ」

あれ、いるとして、じゃないか?

いたとしたら?

何か違うな……。

「その昔、神様がいてだ、仏様だったかな、まあそんなのどっちでもいいや、神様がいて、兎

はその神様のために、自分から火の中に飛び込んで、その身を焼いて、神様への供物にしたと

いう話があるんだ。神様はその自己犠牲に心打たれて、皆がいつまでもその兎のことを忘れな

いようにと、空の月に、その姿を留めたと言うんだな」

子供の頃テレビで見ただけの、記憶が曖昧な話なのでいまいち知識とし……

(ò﹏ò)

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