第16章

を夕方と同じ場所に停め、同じ金網の裂け目から敷地内に入ったら、入り口のところ

で、忍野はもう待っていた。

ずっとそこにいたという風に。

「……え」

その忍野の服装に、戦場ヶ原が驚く。

忍野は、白ずくめの装束――浄衣に身を包んでいた。ぼさぼさだった髪もぴったりと整えら

れて、夕方とは見違えてしまうような、少なくとも見た目だけは小綺麗な格好になっていた。

馬子にも衣装。

それなりに見えてしまうのが、逆に不快だ。

「忍野さんって――神職の方だったんですか?」

「いや? 違うよ?」

あっさり否定する忍野。

「宮司でもなければ禰宜でもないさ。大学の学科はそうなんだけれど、神社に就職はしていな

い。色々思うところがあってね」

「思うところって――」

「一身上の都合だよ。馬鹿馬鹿しくなったってのが真相かもね。何、この服装は、単純に身な

りを整えただけだよ。他に綺麗な服を持っていなかっただけ。神様に遭うんだから、お嬢ちゃ

んだ……

(ò﹏ò)

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