―私の気持ちで、私の思いで――私の記憶ですから、私
が、背負います。失くしちゃ、いけないものでした」
そして、最後に――
「お願いです。お願いします。どうか、私に、私の重みを、返してください」
最後に、祈りのような、懇願の言葉。
「どうかお母さんを――私に、返してください」
だん。
忍野の足が――床を踏み鳴らした音だった。
無論、踏み潰した――のではないだろう。
そうじゃなく、いなくなったのだ。
ただ、そうであるように――当たり前のようにそこにいて、当たり前のようにそこにいない
形へと、戻ったのだろう。
還ったのだ。
「――ああ」
身じろぎもせず、何も言わない忍野メメと。
全てが終わったことを理解しても、姿勢を崩すことなく、そのままわんわんと声を上げて泣
きじゃくり始めてしまった戦場ヶ原ひたぎを、阿良々木暦は、離れた位置から眺めるように見
ていて。
ああ、ひょっとしたら戦場ヶ原は、本当は本当の本当に、ツンデレなの……
(ò﹏ò)
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