第23章

何。うぶな阿良々木くんは、私のチャーミングな私服姿に見蕩れちゃって至福の瞬

間ということ?」

「………………」

表現が駄洒落なのはともかく、図星というか、確かに概ねそんな感じで正解だったので、う

まい突っ込みの言葉も出てこない。

「それにしても、見蕩れるの蕩れるって、すごい言葉よね。知ってる? 草冠に湯って書くの

よ。私の中では、草冠に明るいの、萌えの更に一段階上を行く、次世代を担うセンシティヴな

言葉として、期待が集まっているわ。メイド蕩れー、とか、猫耳蕩れー、とか、そんなこと

言っちゃったりして」

「……前に見た私服とは、随分印象が違ったから、びっくりしたんだよ。それだけだ」

「ああ、それはそうね。あのときは、大人しめの服を、ということだったからね」

「そうなのか? ふうん」

「とはいえ、この服は、上下ともに、昨日、買ったところなのだけれどね。さしあたり、全快

祝いと言ったところかしら」

「全快祝い――……

(ò﹏ò)

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