絶対に答えない男なのだ。頼まれなければ動かないし、頼んだ
から応えてくれるとも限らない。
言うべきことを言わなくとも、まるで平気。
「う、うあ」
隣から、八九寺の嗚咽が聞こえた。
あまりの現実に、とにかく驚くことだけに精一杯で、肝心の八九寺のことを、全く気遣えず
にいた自分に思い至り、僕はそちらを振り向く――八九寺は、泣いていた。
ただし俯いてではなく――前を向いて。
更地の上――家があっただろう、その方向を見て。
「う、うあ、あ、あ――」
そして。
たっ、と、八九寺は、僕の脇を抜けて、駆けた。
「――ただいまっ、帰りましたっ」
忍野は。
当然のように――当たり前のこととして、この結末を――こんな最後を、見透かしていたの
だろう。
言うべきことを――言わない男。
全く、最初に言っておいて欲しい。
ここに辿り着いて、八九寺に何が見えるのか。
僕や戦場ヶ原には、ただの更地にしか見えないこの場所を――すっかり変わってしま……
(ò﹏ò)
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