第55章

後日談というか、今回のオチ。

翌日、いつものように二人の妹、火憐と月火に叩き起こされた。起こしにきたということ

は、どうやら、無条件降伏に近い謝罪の言葉が効を奏したらしく、二人の怒りは無事に解けた

ようだった。それとも、今年は結局、何もできなかったわけだけれど、来年の母の日は家の敷

地内から絶対に出ないという約束を交わしたのが、よかったのかもしれない。とにかく、月曜

日。何のイベントもない、最高の平日。軽く朝御飯を食べて、学校へ向かう。マウンテンバイ

クではなく、ママチャリで。戦場ヶ原も今日から出席しているはずだと思うと、ペダルを漕ぐ

足も、自然、軽かった。けれど、道中、まだそんなに距離を稼いでいない下り坂で、よたよた

と歩いていた女の子と衝突しそうになって、僕は慌てて、急ブレーキをかけた。

前髪の短い、眉を出したツインテイル。

大きなリュックサックを背負った女の子だった。

「あ……、阿々良木さん……

(ò﹏ò)

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