ボール部のエース。
切り落としてくれ――と彼女は言った。
忍野から、その左腕が猿の手ではなく悪魔の手であり、願いは、神原が願った通りに叶えら
れただけだという、ロクでもない、暴かれなくてもいいような真相を、暴かれてしまった直後
……数秒だけ目を伏せた後で、しかし気丈に顔を起こし、僕と忍野を交互に見て、そう言っ
た。
「こんな左手、いらない」
神原は言った。
さすがに、あの笑顔は、表情にはない。
それは――奇しくも、彼女の尊敬する先輩の、現在のパーソナリティ……平坦で、淡白で、
感情を感じさせない、口調だった。
「切り落としてくれ。切断して欲しい。頼む。面倒かけるが、お願いする。自分で自分の腕を
切り落とすことはできないから……」
「や、やめろよ」
僕は慌てて、差し出されたような形のその腕を、神原に押し返すようにした。毛むくじゃら
な感覚が、手に気持ち悪い。ぞわっとする。
ぞっとする。
「何馬鹿なことを言ってんだ……
(ò﹏ò)
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