第2章

木先輩、待たせてしまって申し訳ない」

六月十一日、日曜日。

さすが体育会系というべきなのかどうなのか、午前十時五十五分、待ち合わせ時間のきっち

り五分前に、待ち合わせ場所の、僕らの通う直江津高校正門前に、僕の一つ下の後輩、元バス

ケットボール部のエース、神原駿河は勢いよく駆けてきて、勢い余ってジャンプ一番、僕の頭

の上を軽く跳び越してから、着地し、振り向いて、右手を胸の前に、爽やかな笑顔と共にそう

言った。……僕も、高校三年生としては、そりゃそんなに背の高い方ではないと自覚している

のだけれど、自分よりもちっちゃい女の子に正面飛びで跳び越えられるような身長ではないは

ずだと思っていたのだが、その認識はどうやらここで改めなければならないようだった。

「いや、僕も今来たとこだよ。別に待ってない」

「なんと……私の精神に余計な負荷をかけまいと、そんなみえみえの気遣いをされるとは、や

はり阿良々木先輩は、気……

(ò﹏ò)

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