き
くさ
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泣いていた。
度胸があるなんてとんでもない。
むしろ、デリケート過ぎるくらいだ。
「蛇を殺せば蛇の呪いが解けるという解釈じゃなくてね、ここでは、蛇をぶつ切りにすれば―
―というところが肝要なんだよ、阿良々木くん。この場合、蛇は縄のメタファーだ。蛇切縄―
―縄だよ。どれほど強く緊縛されていても、その縄自体を切ってしまえば、解放される」
「緊縛――」
緊縛痕。
蛇によって――縛られている。
縄……か。
「蛇に咬まれて朽ち縄に怖ずという言葉があるけど、この場合、蛇と縄はイコールなんだね。
蛇、切る、縄、で、蛇切縄だ。縄は切れるからこそ縄なんだよね」
「……でも忍野。じゃあ、おかしいじゃないか。忍野、千石はもう、十匹以上、あの神社で蛇
を殺してるって言ってたぞ? それなのに、呪いが解けるどころか――」
むしろ状況は悪化した――と。
殺せば殺すほど、蛇の鱗は、つ……
(ò﹏ò)
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