を見ること。見るべきなのは蛇の眼か、それともピッ
ト器官なのか、それはわからないし、そもそも蛇切縄は、見えないけれど――
動いたっ!
僕は、横っ飛びで、それを回避した。
ばちぃんと、トラバサミが閉じるような音が、すぐ横でした――空振りに終わった、蛇切縄
の、口が閉じる音だろう。ぞっとする――あんなのに頭でも挟まれたら、一巻の終わりだ。間
違いなく、食い千切られるだろう。
だが……、
勝機は、見えた。
場が――僕に、味方してくれている。
地面は土。
草が生え放題。
そして蛇は――地を這う生き物だ。
生き物が怪異でも、それは同じ。
蛇切縄自体は見えなくとも、それが移動した痕跡は、はっきりと残る――あたかもそれは、
千石の身体に刻まれた鱗痕のように。
土はうねり、埃を上げ。
草は邪魔だとばかりに、掻き分けられる。
これが、地面がアスファルトやコンクリートだったなら、こうはいかなかった。蛇祓いを、
戦場ヶ原のときや神原のと……
(ò﹏ò)
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