第83章

ゃ――俺の場合、厳密には匂いの薄い濃い

で判断してるわけじゃにゃいからにゃ」

「そうなのか?」

「実を言うと、あの建物から抜け出して、俺は最初、単独であの吸血鬼を追おうとしたんにゃ

――だから、多分、そのミスタードーナツって店のそばにも、行っていると思うんにゃ」

「なんだよ。そんな大事なことは早く言えよ」

コースの変更が必要じゃないか。匂いを探るという方法を取るならば、一度探したところを

探しても意味がない。

「すまん、忘れていたにゃ」

「………………」

同じコースを執拗に何度も何度も繰り返して巡る必要を切実に感じた。

「でも……匂いは途中で、ぷっつり途切れてたにゃ」

「途切れて――」

「追うのが無理ににゃったってことにゃんだが……だから人間、質問にゃ。あの吸血鬼は、

今、どのくらい吸血鬼としての能力を発揮できるんにゃ? 消えたり現れたり、影ににゃった

り闇ににゃったりできるんにゃら――はっきり言って、俺に……

(ò﹏ò)

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